遺族・障害の年金
2 項目
遺族・障害の年金とは|このカテゴリで分かること
公的年金は老後のためだけの制度ではありません。家計を支える人が亡くなったときの遺族年金と、病気やけがで生活や仕事が制限されたときの障害年金も、同じ年金制度から支給されます。このカテゴリでは、遺族年金の受給額と対象者、遺族基礎年金と遺族厚生年金の違い、中高齢寡婦加算、障害年金の支給額と受給要件、そして最も重要な「初診日」の考え方を、日本年金機構の説明に沿って整理します。
対象は、生命保険の死亡保障や就業不能への備えを考える前に公的保障の額を知りたい人、家族の万一に備えて制度を確かめておきたい人です。請求の実務は年金事務所が窓口になるため、ここでは「誰に、どの条件で、どのくらい出るのか」という骨組みに絞ります。
はじめにおすすめの3本
迷ったら、まずこの3本から読んでください。残りの記事は、このページ下の項目一覧から、気になるテーマで選べます。
- 遺族年金とは|遺族基礎年金と遺族厚生年金の対象者・年金額(令和8年度)・計算例
遺族基礎年金と遺族厚生年金の違い、対象者、年金額の全体像です。 - 中高齢寡婦加算とは|遺族厚生年金に上乗せされる年額635,500円の条件と終わる時期
子のいない妻などに上乗せされる加算と、終わる時期です。 - 障害年金とは|障害基礎年金と障害厚生年金の受給要件・初診日・年金額(令和8年度)
障害年金の3つの要件と、等級ごとの年金額です。
遺族年金を知った後は、生命保険のカテゴリの 必要保障額とは|死亡保障の考え方と計算の手順 で、民間保険で備える額を計算する流れがおすすめです。
押さえておきたいポイント(リサーチ)
| 論点 | 確認できた内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 遺族基礎年金の対象 | 生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」。子は18歳になった年度末まで(障害等級1・2級は20歳未満) | 日本年金機構 |
| 遺族基礎年金の額 | 令和8年4月から、子のある配偶者は847,300円(生年月日により844,900円)に子の加算額 | 日本年金機構 |
| 遺族厚生年金の額 | 亡くなった人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3。受け取る順位は子のある配偶者、子、子のない配偶者、父母、孫、祖父母 | 日本年金機構 |
| 中高齢寡婦加算 | 要件を満たす妻に、40歳から65歳になるまで年額635,500円が加算される場合がある | 日本年金機構 |
| 障害基礎年金の額 | 令和8年4月から1級1,059,125円、2級847,300円(昭和31年4月2日以後生まれ)。子の加算は2人目まで各243,800円、3人目以降各81,300円 | 日本年金機構 |
| 保険料の納付要件 | 初診日(遺族は死亡日)の前日に、加入期間の3分の2以上が納付済か免除。令和18年3月末までは、直近1年に未納がなければよい特例がある | 日本年金機構 |
最新の改正ポイント
厚生労働省によると、遺族厚生年金は2028年4月施行予定で見直されます。18歳年度末までの子がいない配偶者の遺族厚生年金は、原則5年間の有期給付となり、その期間の額は現在の約1.3倍に増えます。対象は段階的に広がり、当初は60歳未満の男性と、2028年度末時点で40歳未満の女性などとされています。5年後も、障害の状態にある人や収入が十分でない人は受け取りを続けられます。また、子がいる場合の加算額も引き上げられる予定です(厚生労働省の資料では年約23.5万円から約28万円。資料作成時点の金額で、令和8年度の子の加算額は243,800円)。すでに受給している人や、18歳年度末までの子を養育中の人などは影響を受けません。
施行前に変更される可能性もあるため、最新は公式で確認してください。
よくある勘違い
- 「夫が会社員なら、子がいなくても遺族基礎年金が出る」
遺族基礎年金は子のある配偶者か子が対象です。子のない配偶者は遺族厚生年金のみが対象になります。 - 「遺族厚生年金は配偶者か子しか受け取れない」
配偶者や子がいない場合、生計を維持されていた父母・孫・祖父母が対象になることがあります(父母・祖父母は55歳以上などの条件あり)。 - 「初診日は診断名がついた日」
原則として、その病気やけがで初めて医師の診療を受けた日です。詳しくは 障害年金の初診日とは|決め方・証明書(受診状況等証明書)の取り方と証明できないときの考え方 で。
よくある疑問
Q. 遺族年金はいくらもらえますか。
A. 遺族基礎年金は定額に子の加算、遺族厚生年金は亡くなった人の報酬比例部分の4分の3が基本です。計算例は 遺族年金とは|遺族基礎年金と遺族厚生年金の対象者・年金額(令和8年度)・計算例 にあります。
Q. 障害年金は働いていても受けられますか。
A. 受給の可否は障害の状態で判断され、働いていることだけで一律に対象外になるわけではありません。要件は 障害年金とは|障害基礎年金と障害厚生年金の受給要件・初診日・年金額(令和8年度) を参照してください。
Q. 保険料の未納があると受けられませんか。
A. 納付要件を満たさないと受けられません。判定は初診日の前日時点で行うため、後から納めても間に合わない点に注意が必要です。
編集部の見解
遺族年金と障害年金は、民間の死亡保険や就業不能保険の「土台」にあたると考えます。この土台の額を知らずに保険を選ぶと、保障が過大にも過小にもなりやすいからです。特に会社員の家庭では、遺族厚生年金の額が家計に与える影響は小さくありません。
一方、どちらの年金も保険料の納付要件を満たしていることが前提です。若い世代ほど未納や免除の手続き漏れが起きやすく、それが万一のときの受給を左右すると考えます。払えないときに免除を申請しておくことは、老後のためだけでなく、この2つの年金を守るためにも意味があります。
本ページは一般的な情報提供です。受給の可否や金額は、日本年金機構や年金事務所に確認してください。

