公的医療保険・介護

国民健康保険の保険料の仕組み所得割・均等割・平等割と上限額・軽減制度の考え方

国民健康保険の保険料の仕組み|所得割・均等割・平等割と上限額・軽減制度の考え方

国民健康保険の保険料が、所得割・均等割・平等割などの組み合わせで決まる仕組み、医療分・後期高齢者支援金分・介護分の区分、年度ごとの上限額、低所得世帯の軽減や退職・失業時の軽減の考え方を整理します。

一次情報公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。このサイトについて

国民健康保険の保険料の仕組みとは

国民健康保険(国保)は、自営業、フリーランス、退職した人、無職の人、年金生活者などが加入する、市区町村(都道府県と共同で運営)の公的医療保険です。保険料は、会社員の健康保険のように給与に一定の率をかけるのではなく、市区町村が、条例で決めた方法で、世帯ごとに計算します。

そのため、同じ収入でも、住む自治体によって保険料が違います。この項目では、保険料の構成と、軽減の仕組み、確認の方法を整理します(退職後の健康保険の選び方もあわせてご覧ください)。

保険料の構成

国民健康保険の保険料は、令和8年度(2026年度)から、次の4つの区分の合計になりました(令和7年度までは、子ども・子育て支援納付金分を除く3区分)。

区分 内容 対象
医療分(基礎賦課額) 医療給付に充てる 加入者全員
後期高齢者支援金分 75歳以上の医療を支える 加入者全員
介護分 介護保険の第2号被保険者の保険料 40歳から64歳の加入者
子ども・子育て支援納付金分 子ども・子育て支援金制度に充てる(令和8年度に新設) 加入者全員(18歳到達年度末までの子は均等割が全額軽減)

それぞれの区分について、次の4つの要素から計算する自治体が多くあります。

要素 内容
所得割 前年の所得に応じて、一定の率をかける
資産割 固定資産税額に応じてかける(廃止している自治体も多い)
均等割 加入者の人数に応じて、1人あたりの定額
平等割 1世帯あたりの定額

どの要素を採用するか、率や金額をいくらにするかは、自治体ごとに異なります。お住まいの市区町村のホームページで、保険料率の一覧を確認するのが、確実です。

計算の流れ(考え方)

年間保険料 =(所得割 + 均等割 + 平等割 + 資産割)の、医療分・支援金分・介護分・子ども子育て支援納付金分の合計
        ただし、区分ごとの賦課限度額(上限額)を超えない

具体例(率や金額は、計算の流れを示すための仮定で、実際の自治体の数値ではありません)。

項目 内容
世帯 夫婦2人(どちらも40歳未満、介護分なし)
所得割の対象所得(前年の所得から基礎控除を引いた額、仮定) 200万円
所得割(医療分+支援金分で、合計10%と仮定) 20万円
均等割(1人あたり、医療分+支援金分で4万円と仮定) 4万円 × 2人 = 8万円
平等割(1世帯、仮定) 2万円
年間保険料(概算) 20万円 + 8万円 + 2万円 = 30万円
月額の目安 約25,000円

自治体によって、率が大きく異なるため、この計算は、あくまで構造を理解するための例です。実際の金額は、市区町村の窓口で試算を依頼できます。

上限額と軽減制度

制度 内容
賦課限度額 保険料に、年間の上限額がある(区分ごとに、国が基準を定める。令和8年度の政令上の上限は、医療分67万円・後期高齢者支援金分26万円・介護分17万円・子ども・子育て支援納付金分3万円の合計113万円で、自治体の条例で定める。毎年見直される)
低所得世帯の軽減 世帯の所得が一定以下の場合、均等割・平等割が、7割・5割・2割軽減される(厚生労働省の案内。所得の基準は、世帯の人数で変わる)
未就学児の軽減 未就学児の均等割が、原則として2分の1に軽減される(令和4年4月から。低所得の軽減を受けている場合は、軽減後の額の2分の1。詳細は自治体の案内で確認)
非自発的失業者の軽減 倒産・解雇・雇止めなどで離職した人は、前年の給与所得を一定の割合として計算し直すなど、保険料が軽減される場合がある(具体的な割合は、市区町村の案内で確認)

軽減は、申請が必要な場合があります。たとえば、離職した人の軽減は、雇用保険の受給資格者証などを持って、窓口で申請します。上限額や軽減の判定基準は、年度ごとに改定されるため、最新の数値は、厚生労働省や市区町村の案内で確認してください。

退職後の保険料の注意

退職した年は、前年の所得(会社員時代の所得)に基づいて、保険料が計算されるため、退職直後の国民健康保険の保険料が、高くなりやすい傾向があります。任意継続との比較は、保険料の試算を依頼して行います(退職後の健康保険の選び方)。

受けられる給付

給付 内容
療養の給付 医療機関の窓口で、原則3割の自己負担(年齢や所得で異なる)
高額療養費 自己負担が、上限を超えたとき、払い戻される(高額療養費制度とは)
出産育児一時金 出産のときに支給される(出産育児一時金と出産手当金の違い)
傷病手当金・出産手当金 原則としてない(自治体により、特別な期間のみの例がある)

国民健康保険の保険料の仕組みの実践ステップ

  1. 住んでいる市区町村の、国民健康保険のページで、保険料率と上限額を確認する。
  2. 世帯の人数と、前年の所得から、保険料を概算する。
  3. 軽減の対象になるか(低所得、離職など)を、確認する。
  4. 退職した場合は、任意継続などとの比較を、窓口で試算してもらう。
  5. 納付書や口座振替の手続きを、確認する。

国民健康保険の保険料の仕組みの注意点

  • 前年の所得で計算されるため、収入が下がった年は、保険料が相対的に高く感じる。
  • 世帯主が、世帯全員分の保険料を、納める。
  • 保険料を滞納すると、医療機関の窓口で、一時的に全額を負担する場合がある。支払いが難しいときは、早めに窓口に相談する。
  • 制度は、年度ごとに見直されるため、最新の内容を確認する。

国民健康保険の保険料の仕組みでよくあるミス

  • 退職後の保険料を、在職中の保険料と同じ水準と考える。
  • 軽減制度を、知らず、申請しない。
  • 加入の手続きの期限を、過ぎる。
  • 滞納のまま、放置する。

国民健康保険の保険料の仕組みのチェックリスト

  • 自分の市区町村の、保険料率を確認したか。
  • 軽減の対象になるか、確認したか。
  • 世帯の人数・所得から、保険料を概算したか。
  • 納付方法と、期限を確認したか。

国民健康保険の保険料の仕組みのFAQ(よくある質問)

Q. 国民健康保険の保険料は、どうやって決まりますか。
A. 所得割・均等割・平等割などの要素を、組み合わせて、市区町村が決めます。計算の方法と率は、自治体ごとに違います。

Q. 保険料に、上限はありますか。
A. あります。区分ごとに、年間の賦課限度額が定められています。

Q. 収入が減ったら、すぐ保険料も下がりますか。
A. 前年の所得で計算されるため、すぐには下がらない場合があります。離職による軽減などの制度を、窓口で確認してください。

筆者の見解(国民健康保険の保険料の仕組み)

国民健康保険の保険料は、「会社員の健康保険と同じ感覚」で考えると、金額に驚くことが多い制度だと考えます。筆者は、退職や独立を考えた時点で、市区町村に保険料の試算を依頼することを、最初の準備として、おすすめします。自治体差が大きく、一般的な目安の金額を示しにくいため、公式の試算が、いちばん確実です。個別の保険料は、お住まいの市区町村にご確認ください。

国民健康保険の保険料の仕組みの関連項目

出典(一次情報)

本記事は制度・用語に関する一般的な情報の提供を目的としており、特定の保険・金融商品の推奨や勧誘、税務・法律・投資に関する個別の助言ではありません。制度の内容・金額・期限は改正されるため、最新の内容は国税庁・金融庁・厚生労働省・日本年金機構・各保険会社などの公式ページでご確認ください。個別の判断は、税務署・年金事務所・保険会社・税理士などの専門家にご相談ください。「筆者の見解」は一つの考え方です。