相続・贈与・退職金
1 項目
相続・贈与・退職金とは|このカテゴリで分かること
相続税・贈与税・退職金の税金は、一生に何度も経験するものではないため、仕組みを知らないまま期限や判断の場面を迎えがちです。このカテゴリでは、相続税の基礎控除の計算式、死亡保険金の非課税枠、贈与税の基礎控除110万円と生前贈与の扱い、退職金にかかる税金の計算を、国税庁の説明に沿って整理します。
当サイトは保険・お金・税の制度解説辞典のため、相続手続きの法律面や遺産分割の進め方ではなく、「税金がかかるかどうか」「保険や退職金が税額にどう関わるか」という仕組みに絞っています。対象は、親の相続に備えたい人、生前贈与を考えている人、退職金の手取りを見積もりたい人です。
はじめにおすすめの3本
迷ったら、まずこの3本から読んでください。残りの記事は、このページ下の項目一覧から、気になるテーマで選べます。
- 相続税の基礎控除とは|3,000万円+600万円×法定相続人の計算式と生命保険の非課税枠
相続税がかかるかどうかは、まず基礎控除で判定します。 - 贈与税の基礎控除110万円とは|暦年課税の計算・申告期限・保険金の贈与との関係
生前に渡す場合の110万円と、相続時精算課税との違いです。 - 相続手続きの期限一覧|相続放棄3か月・準確定申告4か月・相続税の申告10か月の数え方
税金に関わる期限を一覧で確認します。
保険金の課税区分は、所得税のカテゴリの 死亡保険金の税金とは|契約者・被保険者・受取人の関係で変わる課税の区分 と合わせて読むと整理しやすくなります。
押さえておきたいポイント(リサーチ)
| 論点 | 確認できた内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 相続税の基礎控除 | 3,000万円+600万円×法定相続人の数。遺産の総額がこれ以下なら相続税はかからず、申告も不要 | 国税庁 |
| 死亡保険金の非課税 | 被相続人が保険料を負担していた死亡保険金を相続人が受け取る場合、500万円×法定相続人の数までは非課税。相続人以外が受け取った場合は適用されない | 国税庁 |
| 相続税の申告期限 | 死亡を知った日の翌日から10か月以内に申告と納税 | 国税庁 |
| 贈与税 | 暦年課税は1年間の贈与が110万円以下なら課税されない。相続時精算課税にも令和6年1月1日以後、年110万円の基礎控除がある。申告は翌年2月1日から3月15日 | 国税庁 |
| 退職所得 | (収入金額−退職所得控除額)×2分の1。控除額は勤続20年以下が40万円×年数(最低80万円)、20年超は800万円+70万円×(年数−20年)。「退職所得の受給に関する申告書」を出さないと20.42%で源泉徴収される | 国税庁 |
最新の改正ポイント
- 暦年贈与の相続財産への加算期間は、令和6年1月1日以後の贈与から段階的に3年から7年に延びています。国税庁の説明では、令和8年12月31日までの相続は3年以内の贈与が対象で、令和9年1月1日以後の相続から対象期間が延び始め、令和13年1月1日以後は7年になります。延長された期間の贈与は合計100万円まで加算されません。
- 令和7年度税制改正で、iDeCoなどの老齢一時金を受け取った後に退職金を受け取る場合、勤続期間の重複を調整する対象が「前年以前9年内」に広がりました。令和8年1月1日以後に支払われる退職手当等から適用されます。受け取る順番と間隔で税額が変わることがあります。
最新は公式で確認してください。
よくある勘違い
- 「死亡保険金は全額非課税」
非課税は相続人が受け取る場合の枠の範囲だけです。契約者・被保険者・受取人の関係によっては所得税や贈与税の対象になります。 - 「毎年110万円以下の贈与なら相続税と無関係」
亡くなる前の一定期間の贈与は相続財産に加算されます。 - 「退職金は確定申告しないと損」
申告書を提出していれば、源泉徴収で課税が完了するのが原則です。
よくある疑問
Q. 相続税がかかるか簡単に判断できますか。
A. 遺産の総額(死亡保険金の非課税枠を除いた後)と基礎控除を比べるのが第一歩です。計算例は 相続税の基礎控除とは|3,000万円+600万円×法定相続人の計算式と生命保険の非課税枠 にあります。
Q. 生命保険の保険料を親が払っていた場合、税金はどうなりますか。
A. 保険料の負担者と受取人の関係で、相続税・贈与税・所得税のどれになるかが決まります。贈与税の基礎控除110万円とは|暦年課税の計算・申告期限・保険金の贈与との関係 と 死亡保険金の税金とは|契約者・被保険者・受取人の関係で変わる課税の区分 で区分を確認してください。
Q. 退職金に住民税はかかりますか。
A. かかります。退職所得は他の所得と分けて計算され、通常は支払いのときに差し引かれます。詳しくは 退職金の税金とは|退職所得控除の計算式・2分の1課税・受給に関する申告書の出し方 で。
編集部の見解
相続税は「財産が多い家庭だけの税金」と思われがちですが、実際には基礎控除との比較で判断が決まるため、まず財産の一覧を作って計算してみることが大切だと考えます。生命保険の非課税枠は、この計算に直接効く数少ない仕組みです。
贈与の加算期間の延長やiDeCoとの調整期間の拡大のように、近年の改正は「生前の対策の効果を見直す」方向に進んでいると考えます。何年も前に立てた計画は、一度点検し直す価値があります。
本ページは一般的な情報提供であり、個別の税務・法律の助言ではありません。具体的な判断は税務署や税理士に確認してください。
