所得控除(医療費・保険料など)

生命保険料控除とは新契約・旧契約の計算式と年末調整・確定申告のやり方

生命保険料控除とは|新契約・旧契約の計算式と年末調整・確定申告のやり方

生命保険料控除とは、払った保険料に応じて所得税・住民税が軽くなる所得控除です。3つの区分、新契約と旧契約の計算式、上限額、年末調整での申告の手順を整理します。

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生命保険料控除とは

生命保険料控除は、納税者が生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料を支払ったときに、その年の所得から一定額を差し引ける所得控除です。所得が減るので、所得税と住民税の負担が軽くなります。国税庁のタックスアンサー(No.1140)は、3つの控除(一般の生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料)の合計が12万円を超えるときは、控除額は12万円と案内しています。

控除を受けるには、年末調整または確定申告で、保険会社から届く「控除証明書」を使って申告する必要があります。申告しないと、払っていても控除はありません。

3つの区分と新旧の違い

区分 内容
一般の生命保険料 死亡保障の保険など(終身・定期・学資保険など)
介護医療保険料 医療保険、介護保険など
個人年金保険料 税制適格特約を付けた個人年金保険

契約日によって、新契約と旧契約に分かれます。

  • 新契約:2012年(平成24年)1月1日以後に締結した契約
  • 旧契約:2011年(平成23年)12月31日以前に締結した契約

旧契約には、介護医療保険料の区分はありません。

所得税の計算式(新契約)

国税庁の案内にある新契約の控除額は、年間の保険料に応じて次のとおりです。

年間の支払保険料 控除額
20,000円以下 支払保険料の全額
20,000円超 40,000円以下 支払保険料 × 1/2 + 10,000円
40,000円超 80,000円以下 支払保険料 × 1/4 + 20,000円
80,000円超 一律 40,000円

各区分(一般・介護医療・個人年金)の最高額は4万円で、3区分の合計は最高12万円です。

旧契約の場合は、次の計算になります。

年間の支払保険料 控除額
25,000円以下 支払保険料の全額
25,000円超 50,000円以下 支払保険料 × 1/2 + 12,500円
50,000円超 100,000円以下 支払保険料 × 1/4 + 25,000円
100,000円超 一律 50,000円

旧契約の一般・個人年金は最高5万円で、旧契約だけの場合は合計の最高が10万円になります。新旧の契約が混在する場合の計算は、国税庁の案内に従って確認してください。

生命保険料控除の具体例

新契約のみで、次の保険料を払っている場合です(金額は計算を示すための仮定です)。

区分 年間保険料 計算 控除額
一般の生命保険料 72,000円 72,000 × 1/4 + 20,000 38,000円
介護医療保険料 36,000円 36,000 × 1/2 + 10,000 28,000円
個人年金保険料 96,000円 80,000円超なので一律 40,000円
合計 38,000 + 28,000 + 40,000 = 106,000円 106,000円(12万円以下なので、そのまま)

この場合、所得税の課税所得が10万6千円減ります。税率が10%なら、約1万600円の所得税が減る計算です(住民税の控除は別計算)。

令和8年分からの見直し

国税庁の案内では、令和8年分以降の申告で、23歳未満の扶養親族を有する場合の、新生命保険料(一般の生命保険料)の控除額の最高額が引き上げられる(最高6万円)とされています。一方で、3区分の合計の上限は12万円のまま変わりません。対象になる人は、控除額の表と条件を国税庁のページで確認してください。

住民税の控除

住民税にも、同様の生命保険料控除があります。新契約の場合、各区分の最高が28,000円、3区分合計の最高が70,000円で、所得税とは計算式が異なります。詳細は、お住まいの自治体の案内で確認してください。

生命保険料控除の実践ステップ

  1. 保険会社から、10〜11月ごろに届く「生命保険料控除証明書」を保管する。
  2. 契約の締結日(新契約か旧契約か)と、区分を確認する。
  3. 会社員は、年末調整の申告書に、証明書の金額を記入する。
  4. 自営業・年末調整で出し忘れた人は、確定申告で申告する。
  5. 控除額の計算は、国税庁の申告書作成ツールに入力して確認する。

生命保険料控除の注意点

  • 控除の対象は、その年に実際に払い込んだ保険料。払込免除や配当金がある場合は、差し引いた金額になる。
  • 受取人が、本人・配偶者・親族でない契約は、対象外のことがある。
  • 個人年金保険は、税制適格特約が付いていないと、個人年金保険料控除の対象にならない。

生命保険料控除でよくあるミス

  • 控除証明書が届いたのに、年末調整で出し忘れる。
  • 新旧の契約を混同して、計算が違ってしまう。
  • 証明書を紛失して、再発行を依頼しないまま申告期限を迎える。

生命保険料控除のチェックリスト

  • 控除証明書は、すべての契約分がそろっているか。
  • 新契約・旧契約の区別を確認したか。
  • 個人年金は、税制適格特約が付いているか。
  • 年末調整の提出期限を確認したか。

生命保険料控除のFAQ(よくある質問)

Q. 控除証明書をなくしました。どうすればよいですか。
A. 保険会社に連絡すると、再発行を依頼できます。年末調整や確定申告の時期に間に合うよう、早めに依頼してください。

Q. 年末調整で出し忘れたら、控除は受けられませんか。
A. 確定申告で申告できます。

Q. 学資保険の保険料は控除の対象ですか。
A. 一般の生命保険料として対象になる商品が多いですが、契約内容で異なるため、保険会社の証明書で確認してください。

筆者の見解(生命保険料控除)

生命保険料控除は、保険料の「節税」のために保険に入るものではなく、すでに払っている保険料のうち、受けられる控除を取りこぼさないための制度だと考えます。控除額が最高でも12万円なので、税率10%の人で1万円強の軽減です。保険の選び方は、保障の必要性を軸にし、控除は付随的な利点として扱うのが無理のない考え方だと思います。個別の税務判断は、税務署または税理士への確認をおすすめします。

生命保険料控除の関連項目

出典(一次情報)

本記事は制度・用語に関する一般的な情報の提供を目的としており、特定の保険・金融商品の推奨や勧誘、税務・法律・投資に関する個別の助言ではありません。制度の内容・金額・期限は改正されるため、最新の内容は国税庁・金融庁・厚生労働省・日本年金機構・各保険会社などの公式ページでご確認ください。個別の判断は、税務署・年金事務所・保険会社・税理士などの専門家にご相談ください。「筆者の見解」は一つの考え方です。