国民年金基金とは自営業者の年金の上乗せ・掛金の上限・税の控除と受け取れる金額の考え方

国民年金基金とは、自営業者などの国民年金第1号被保険者が老齢基礎年金に上乗せできる公的な年金制度です。加入できる人、掛金の上限とiDeCoとの関係、掛金の税制、受取額の見方を整理します。
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国民年金基金とは
国民年金基金は、自営業者やフリーランスなど、国民年金の第1号被保険者が、老齢基礎年金に上乗せする年金を準備できる制度です。会社員が加入する厚生年金には、報酬比例部分がありますが、国民年金だけでは、受け取る年金額が小さくなりやすいため、この差を埋める目的で設けられています。
国民年金基金連合会の案内では、国民年金基金には、一生涯受け取れる終身年金と、一定期間の確定年金があり、掛金は全額が所得控除(社会保険料控除)の対象になるとされています。この項目では、仕組み、掛金の上限、受取額の考え方、判断の観点を整理します。
基本の仕組み
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 加入できる人 | 国民年金の第1号被保険者(自営業者、フリーランス、学生、無職など)の、20歳以上60歳未満の人と、国民年金に任意加入している60歳以上65歳未満の人など |
| 加入できない人 | 会社員・公務員(第2号被保険者)、専業主婦・主夫(第3号被保険者)、国民年金の保険料の免除を受けている人 |
| 年金の種類 | 終身年金(A型・B型)、確定年金の組み合わせ |
| 掛金 | 年金の種類と加入時の年齢で決まる(口数を選ぶ) |
| 給付の確定 | 加入時に、掛金と将来の給付が決まる(確定給付型) |
付加年金(月400円の追加保険料で、将来の年金額を増やす制度)とは、同時に加入できません。どちらを選ぶかを、先に決める必要があります。
掛金の上限
国民年金基金の掛金には、月額の上限があります。iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入している場合は、国民年金基金とiDeCoの掛金の合計が、上限の範囲内になる必要があります。2025年の年金制度改正により、第1号被保険者の上限(国民年金基金・iDeCoなどの合計)は、月額68,000円から75,000円に引き上げられ、2026年12月分の掛金(2027年1月の納付・引き落とし分)から適用されるとされています。実際の上限と、iDeCoとの合算の扱いは、基金連合会の最新の案内で確認してください。
掛金の税制
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 掛金 | 全額が、社会保険料控除として所得から差し引ける |
| 年金を受け取るとき | 公的年金等控除の対象になる(雑所得として課税) |
具体例(金額は計算を示すための仮定です)。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月々の掛金 | 3万円 |
| 年間の掛金 | 36万円 |
| 社会保険料控除として差し引ける額 | 36万円 |
| 所得税の軽減(税率10%の場合) | 約3万6千円 |
| 住民税の軽減(10%の場合) | 約3万6千円 |
| 合計の軽減額(目安) | 約7万2千円 |
節税の効果は、所得税・住民税の税率によって変わります。ただし、受け取るときは、課税の対象になることを、あわせて考えておく必要があります。
受け取れる金額の考え方
国民年金基金の受取額は、掛金の額、加入時の年齢、年金の種類で決まります。連合会の案内では、加入前に、加入の条件を入れて、掛金と将来の年金額をシミュレーションできる仕組みが示されています。
比較する材料として、次の点を整理します。
- 払い込む掛金の総額と、受け取る年金の総額(受給の年数ごと)
- 終身年金か、確定年金か(長生きしたときの安心か、期間を区切るか)
- 年金を受け取る時期(65歳からなど)
- 中途で脱退・減額ができるかどうか(制度の仕組みで、制限がある)
他の選択肢との比較の視点
| 選択肢 | 特徴 |
|---|---|
| 国民年金基金 | 終身で受け取れる。掛金の変更や、解約に制限がある |
| iDeCo | 運用次第で増減する。掛金は変更できる。原則60歳まで引き出せない |
| 付加年金 | 保険料が安く、受取額も小さい。国民年金基金とは併用できない |
| 小規模企業共済 | 事業を辞めたときの退職金代わり。掛金は所得控除 |
どの制度も、将来の資金計画の一部として位置づけ、無理のない掛金を決めることが基本です。
国民年金基金の実践ステップ
- 国民年金の加入状況と、ねんきん定期便の見込額を確認する。
- 老後の生活費の見込みと、見込額の差を把握する。
- 国民年金基金連合会のシミュレーションで、掛金と年金額を試算する。
- iDeCoや付加年金など、他の制度と比べて、使う制度を決める。
- 加入後は、毎年、掛金の控除証明書を保管し、確定申告で申告する。
国民年金基金の注意点
- 加入したあとの、掛金の減額や、脱退には、制限がある。収入が不安定な人は、無理のない口数にする。
- 国民年金の保険料を、納付していることが、加入の前提。
- 将来の物価の上昇に、年金額が自動で追従する仕組みはない(物価スライドはない)。
国民年金基金でよくあるミス
- 掛金を高く設定して、収入が下がったときに払えなくなる。
- 付加年金との併用ができないことを、知らない。
- 控除証明書を、確定申告で申告し忘れる。
- 受け取るときに課税されることを、考えていない。
国民年金基金のチェックリスト
- 加入できる条件を、満たしているか。
- 掛金の上限と、iDeCoとの合算を確認したか。
- シミュレーションで、受取額を試算したか。
- 収入が下がったときの、掛金の負担を考えたか。
国民年金基金のFAQ(よくある質問)
Q. 会社員でも、国民年金基金に入れますか。
A. 入れません。第1号被保険者が対象です。会社員は、厚生年金に加入しています。
Q. 国民年金基金の掛金は、所得控除になりますか。
A. 全額が、社会保険料控除として、所得から差し引けます。
Q. 付加年金と一緒に入れますか。
A. 同時には入れません。どちらかを選びます。
筆者の見解(国民年金基金)
国民年金基金は、「終身で受け取れる年金を、掛金の税制優遇つきで上乗せできる」という点で、自営業者の老後設計の選択肢として意味のある制度だと考えます。筆者は、収入が不安定になりやすい自営業では、掛金を無理に大きくせず、途中で減額しにくい点を理解しておくことが、特に重要だと思います。iDeCoなど、他の選択肢との比較を、一度表にしてみると、考えが整理しやすくなります。個別の加入の判断は、国民年金基金連合会や、専門家にご相談ください。
国民年金基金の関連項目
- 年金の平均受給額とは
- 年金の繰上げ受給・繰下げ受給とは
- 青色申告と白色申告の違い
- つみたて投資枠(つみたてNISA)とは
出典(一次情報)
本記事は制度・用語に関する一般的な情報の提供を目的としており、特定の保険・金融商品の推奨や勧誘、税務・法律・投資に関する個別の助言ではありません。制度の内容・金額・期限は改正されるため、最新の内容は国税庁・金融庁・厚生労働省・日本年金機構・各保険会社などの公式ページでご確認ください。個別の判断は、税務署・年金事務所・保険会社・税理士などの専門家にご相談ください。「筆者の見解」は一つの考え方です。

