NISA(少額投資非課税制度)

つみたて投資枠(つみたてNISA)とは年120万円・対象商品の条件・始める前の確認点

つみたて投資枠(つみたてNISA)とは|年120万円・対象商品の条件・始める前の確認点

つみたて投資枠(旧つみたてNISA)とは何か、年120万円の枠と生涯投資枠1,800万円、対象商品の条件、非課税の効果の計算例、損失のリスクと始める前の確認点を金融庁の情報で整理します。

一次情報公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。このサイトについて

つみたて投資枠とは

つみたて投資枠は、2024年から始まった新しいNISA(少額投資非課税制度)のうち、長期・積立・分散投資を支援するための枠です。2023年までの「つみたてNISA」の後継にあたり、検索では「つみたてNISA」「積立NISA」と呼ばれ続けています。金融庁の説明では、つみたて投資枠の年間投資枠は120万円で、成長投資枠(年間240万円)と併用でき、年間では最大360万円まで投資できます。

通常、投資信託の運用で得た利益には、約20%(20.315%)の税金がかかります。NISAの口座で買った商品の利益は、非課税になります。ただし、投資の元本は保証されず、損失が出ることもあります。この項目では、制度の枠と、始める前の確認点を整理します。

制度の概要(金融庁の案内)

項目 つみたて投資枠
対象年齢 日本国内に住む18歳以上
年間投資枠 120万円
非課税保有期間 無期限
生涯投資枠(非課税保有限度額) 1,800万円(成長投資枠と合わせた総額。成長投資枠は1,200万円まで)
売却したとき 翌年以降、売却した商品の取得金額分の枠が復活し、再利用できる
買える商品 金融庁が定めた基準を満たす、長期の積立・分散投資に適した投資信託など

2023年までのつみたてNISAは、年40万円・非課税期間20年でした。新制度では、年間の枠が大きくなり、非課税期間は無期限になっています。

なお、令和8年度税制改正の大綱(2025年12月閣議決定)では、2027年から0歳〜17歳もつみたて投資枠を使える仕組み(年60万円、非課税保有限度額600万円とされる、いわゆる「こどもNISA」)の新設が盛り込まれています。対象年齢の表は、2026年10月時点の制度にもとづくもので、新制度の詳細は金融庁の案内で確認してください。

対象商品の条件

つみたて投資枠で買える商品は、金融庁が基準を定め、基準を満たしたものを「対象商品」として届出一覧に載せています。基準の考え方は、次のとおりです。

  • 販売手数料がかからない(ノーロード)
  • 信託報酬(運用中にかかる費用)が、一定の低い水準以下
  • 長期の積立に向いた、一定の運用期間があること
  • 毎月分配型など、長期の複利に向かない商品は対象外

対象商品の一覧は、金融庁のページで、Excelなどで公開されています。商品名の指定ではなく、条件を満たした商品が一覧に載る形です。

つみたて投資枠の具体例

月3万円を積み立てた場合の、年間の投資額と、非課税の効果を考える例です(利回りは計算を示すための仮定で、将来の運用成果を示すものではありません)。

項目 金額
月々の積立額 3万円
年間の投資額 36万円(年間枠120万円の範囲内)
10年間の積立元本 360万円
仮定の利回り(年3%)で10年後の評価額(概算) 約420万円
運用益(概算) 約60万円
課税口座の場合の税金(20.315%) 約12万円
NISAの場合の税金 0円

評価額の計算は、積立を月ごとに行うものとした概算です。実際の運用は、マイナスになる年も珍しくありません。この例は、「利益が出た場合に、税金が引かれない」という制度の効果を示すためのものです。

損失が出る可能性

NISAは、税金が非課税になる制度であって、元本を守る制度ではありません。

  • 投資信託の価格は、市場の動きで上下する。
  • 損失が出ても、他の口座の利益との損益通算はできない。
  • 損失の繰越控除(翌年以降への繰り越し)もできない。

これはNISAの制度上の特徴として、金融庁などが案内しています。投資のリスクを理解したうえで、生活費や、近いうちに使うお金は、投資に回さないという整理が基本です。

つみたて投資枠の実践ステップ

  1. 生活費の数か月分の予備資金を、先に確保する。
  2. 積立てられる金額を、家計から決める(無理のない範囲)。
  3. 証券会社や銀行で、NISA口座を開設する(旧NISAと新NISAの違いも参照)。
  4. 金融庁の対象商品一覧や、金融機関の取扱商品から、手数料(信託報酬)と投資対象を確認して選ぶ。
  5. 積立の設定をして、定期的に状況を確認する(頻繁に見すぎない)。

つみたて投資枠の注意点

  • 1人1口座しか開設できない(金融機関の変更は、年単位で手続きする)。
  • 積立の途中で、年間枠の120万円を超えて買うことはできない。
  • 投資信託には、信託報酬のほかに、売却時の信託財産留保額がかかる場合がある。
  • 相場の下落時に、慌てて売却すると、損失が確定する。

つみたて投資枠でよくあるミス

  • 非課税だから「必ず得をする」と思い込む。
  • 手数料(信託報酬)の違いを見ずに、人気だけで選ぶ。
  • 生活資金まで、投資に回してしまう。
  • 年間枠を使い切ることを、目的にしてしまう。

つみたて投資枠のチェックリスト

  • 生活費の予備資金を、先に確保したか。
  • 損失が出る可能性を、理解しているか。
  • 商品の信託報酬と、投資対象を確認したか。
  • 積立の金額が、家計に無理のない範囲か。

つみたて投資枠のFAQ(よくある質問)

Q. つみたてNISAと、つみたて投資枠は、同じものですか。
A. 2023年までの制度は「つみたてNISA」、2024年からの新制度の枠は「つみたて投資枠」です。内容は拡充されており、年間枠や非課税期間が変わっています。

Q. つみたて投資枠で、元本は保証されますか。
A. 保証されません。価格の変動で、元本割れする可能性があります。

Q. 成長投資枠と、つみたて投資枠は併用できますか。
A. できます。金融庁の案内では、年間で最大360万円まで投資できます。

筆者の見解(つみたて投資枠)

つみたて投資枠は、長期投資の入口としては、条件が整った制度だと考えます。ただし、筆者は、「非課税」という言葉が、リスクの存在を見えにくくしているとも感じます。始める前に、予備資金の確保、損失が出た場合に続けられる金額かの確認、手数料の理解の3点を、先に済ませておくのが現実的です。商品の購入を勧めるものではなく、制度の整理です。投資の判断は、ご自身の責任でお願いします。

つみたて投資枠の関連項目

出典(一次情報)

本記事は制度・用語に関する一般的な情報の提供を目的としており、特定の保険・金融商品の推奨や勧誘、税務・法律・投資に関する個別の助言ではありません。制度の内容・金額・期限は改正されるため、最新の内容は国税庁・金融庁・厚生労働省・日本年金機構・各保険会社などの公式ページでご確認ください。個別の判断は、税務署・年金事務所・保険会社・税理士などの専門家にご相談ください。「筆者の見解」は一つの考え方です。