遺族・障害の年金

障害年金とは障害基礎年金と障害厚生年金の受給要件・初診日・年金額(令和8年度)

障害年金とは|障害基礎年金と障害厚生年金の受給要件・初診日・年金額(令和8年度)

障害年金とは、病気やけがで生活や仕事が制限されたときに受け取れる公的年金です。初診日の要件、保険料納付要件、障害等級、令和8年度の障害基礎年金の額、障害厚生年金の計算例を整理します。

一次情報公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。このサイトについて

障害年金とは

障害年金は、病気やけがによって、生活や仕事が制限されるようになったときに、現役世代も含めて受け取れる公的年金です。「年金」という名前から、高齢者向けの制度という印象がありますが、20歳前の病気や、働いている間の病気・けがでも対象になります。

日本年金機構の案内では、障害年金には、障害基礎年金と、障害厚生年金があります。初診日(障害の原因となった病気やけがで初めて医師の診療を受けた日)に、どの年金制度に加入していたかで、受け取れる年金が決まります。この項目では、受給の要件と、年金額の考え方を整理します。

2つの障害年金

項目 障害基礎年金 障害厚生年金
初診日に加入していた制度 国民年金(自営業、学生、無職など)、または、20歳前など 厚生年金保険(会社員・公務員)
対象になる障害の程度 1級・2級 1級・2級・3級(3級は、厚生年金のみ)
年金額 定額(子の加算あり) 報酬比例部分(加入期間と賃金で決まる)。1級・2級では障害基礎年金も上乗せ

会社員が、在職中に初診日がある病気で、障害等級2級に認定された場合は、障害基礎年金と、障害厚生年金の、両方が受け取れます。

受給の3つの要件(障害基礎年金)

日本年金機構の案内では、次の3つの要件を、すべて満たす必要があります。

要件 内容
初診日の要件 初診日が、国民年金の加入期間、または、20歳前、もしくは日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満の期間にあること
障害等級の要件 障害認定日(初診日から1年6か月を経過した日など)に、障害の状態が、1級または2級にあたること
保険料納付の要件 初診日の前日に、保険料の納付済期間と免除期間を合わせた期間が、加入期間の3分の2以上あること

保険料納付の要件には、特例があります。初診日が令和18年3月末日までで、初診日に65歳未満の場合は、直近1年間に保険料の未納がなければ、要件を満たします。

初診日がいつか、どの制度に加入していたかが、受け取れる年金の種類と、受給できるかどうかを分けるため、初診日の証明(受診状況等証明書など)が重要になります。

障害基礎年金の額(令和8年度)

日本年金機構の案内にある、年額です(昭和31年4月2日以後生まれの人の場合)。

障害等級 年額
1級 1,059,125円(2級の1.25倍)
2級 847,300円
子の加算 1人目・2人目は各243,800円、3人目以降は各81,300円

障害基礎年金は、1級は2級の1.25倍の額で、3級はありません。

障害厚生年金の額の考え方

障害厚生年金は、亡くなった場合の遺族厚生年金と同じように、報酬比例部分の計算式を基にします。

報酬比例部分(年額)= 平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 被保険者期間の月数(300月未満は300月)
1級は、報酬比例部分の1.25倍。2級は、報酬比例部分と同額。3級も、報酬比例部分と同額(最低保障額あり)

具体例(金額は計算を示すための仮定です)。

項目 2級 1級
平均標準報酬額 40万円 40万円
被保険者期間(300月未満は300月とみなす) 300月 300月
報酬比例部分(年額) 400,000円 × 5.481/1000 × 300 = 657,720円 657,720円 × 1.25 = 822,150円
障害基礎年金(令和8年度) 847,300円 1,059,125円
年額の合計(配偶者の加算などを除く) 1,505,020円 1,881,275円

1級・2級では、障害基礎年金が上乗せされるため、障害厚生年金だけの3級より、年金額が大きくなります。配偶者の加給年金などの加算は、日本年金機構の案内で確認してください。

請求の流れ

  1. 病気やけがで、初めて受診した医療機関と、日付(初診日)を確認する。
  2. 初診日の証明(受診状況等証明書)を、医療機関に依頼する。
  3. 障害認定日以降の診断書を、医師に依頼する。
  4. 年金請求書、病歴・就労状況等申立書などを、そろえる。
  5. 年金事務所または、市区町村の窓口に、請求書を提出する。

請求には、書類の準備に時間がかかる場合があります。初診日の医療機関が閉院しているなどの事情で、証明が難しい場合は、年金事務所に相談してください。

他の制度との関係

制度 関係
傷病手当金 同じ病気で、障害厚生年金を受けると、調整される場合がある(傷病手当金とは)
労災保険 労災の障害補償年金との併給は、調整される
老齢年金 原則として、障害年金か老齢年金のどちらかを選ぶ(65歳以降の併給の仕組みもある)

障害年金の実践ステップ

  1. 加入していた年金制度(初診日に国民年金か、厚生年金か)を、確認する。
  2. 保険料の納付状況を、ねんきん定期便やねんきんネットで確認する。
  3. 初診日の医療機関を、特定し、証明書の取得を相談する。
  4. 年金事務所の相談窓口で、請求に必要な書類を、確認する。
  5. 診断書の内容を、医師と相談して準備する。

障害年金の注意点

  • 初診日の特定と証明は、請求の最初の関門になりやすい。
  • 保険料の未納期間が多いと、納付要件を満たせない場合がある。
  • 障害の状態が変わると、認定の更新(診断書の提出)が必要になる場合がある。
  • 障害年金は、所得税・住民税の課税の対象にならない(国税庁の案内で確認)。

障害年金でよくあるミス

  • 障害年金は、高齢の人のための制度と考え、請求を検討しない。
  • 初診日の記録を、保管していない。
  • 保険料の未納期間を、放置している。
  • 手続きの流れを知らず、請求が遅れる。

障害年金のチェックリスト

  • 初診日と、そのときの年金制度を、確認したか。
  • 保険料の納付状況を、確認したか。
  • 診断書を依頼できる医師が、決まっているか。
  • 年金事務所に、相談したか。

障害年金のFAQ(よくある質問)

Q. 障害年金は、いくらもらえますか。
A. 障害基礎年金は、令和8年度で、2級が年額847,300円(昭和31年4月2日以後生まれ)、1級が1,059,125円です。障害厚生年金は、これに加えて、報酬比例部分があります。

Q. 精神疾患でも、障害年金は受けられますか。
A. 障害の程度が、認定の基準にあたる場合、対象になります。基準や手続きは、日本年金機構の案内で確認してください。

Q. 働いていると、受け取れませんか。
A. 働いていること自体では、対象外になりません。障害の状態で判断されます。

筆者の見解(障害年金)

障害年金は、「自分には関係がない」と考えられやすい一方、病気やけがは、誰にでも起こりうるため、制度の存在と、初診日が重要であることを、知っておく価値が大きい制度だと考えます。筆者は、保険料の未納期間をつくらないことと、医療機関の受診の記録を保管しておくことが、いざというときの備えになると思います。制度の内容と金額は、改定されるため、最新の内容は、日本年金機構でご確認ください。個別の相談は、年金事務所をご利用ください。

障害年金の関連項目

出典(一次情報)

本記事は制度・用語に関する一般的な情報の提供を目的としており、特定の保険・金融商品の推奨や勧誘、税務・法律・投資に関する個別の助言ではありません。制度の内容・金額・期限は改正されるため、最新の内容は国税庁・金融庁・厚生労働省・日本年金機構・各保険会社などの公式ページでご確認ください。個別の判断は、税務署・年金事務所・保険会社・税理士などの専門家にご相談ください。「筆者の見解」は一つの考え方です。