火災保険・損害保険

地震保険とは津波・地震火災が火災保険で出ない理由と補償の仕組み

地震保険とは|津波・地震火災が火災保険で出ない理由と補償の仕組み

地震保険とは何か、地震による火災や津波が火災保険で補償されない理由、保険金額の上限、全損・大半損・小半損・一部損の4区分を、財務省などの公的情報で整理します。

一次情報公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。このサイトについて

地震保険とは

地震保険は、地震・噴火・これらによる津波を原因とする損害を補償する保険です。財務省の説明では、地震保険は火災保険とセットで契約する仕組みで、建物の保険金額の上限は5,000万円、家財は1,000万円とされています。国と民間の保険会社が共同で運営する制度であることも、特徴です。

日本損害保険協会のQ&Aでは、地震による火災や損害は、火災保険の補償の対象外と案内されています。つまり、「地震のあとに火事になった」場合も、火災保険ではなく地震保険の領域です。ここを取り違えやすいため、この項目で整理します。

火災保険と地震保険の役割分担

原因 火災保険 地震保険
通常の火災(調理中の火事など) 対象 対象外
地震で倒壊した 対象外 対象
地震のあとに起きた火災 対象外 対象
地震による津波で流された 対象外 対象
噴火による損害 対象外 対象
台風による水害 水災補償があれば対象 対象外

地震保険は、火災保険に付帯して契約します。火災保険に入っていない人は、地震保険だけを単独で契約することはできません。

保険金額の決まり方

地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額の30%〜50%の範囲内で決めます。さらに、建物は5,000万円、家財は1,000万円が上限です。

具体例(金額は計算を示すための仮定です)。

項目 金額
火災保険の建物の保険金額 2,400万円
地震保険の保険金額の範囲(30%〜50%) 720万円〜1,200万円
選んだ地震保険の保険金額 1,200万円(50%)

この設計は、「地震の損害のすべてを補償する」のではなく、生活再建の資金の一部を支えることを目的としています。建て直しの費用を全額まかなうものではない点を、理解しておく必要があります。

損害の区分と支払い

地震保険では、損害の程度を4つの区分に分けて、保険金額に対する一定の割合を支払います。

区分 保険金額に対する支払い割合
全損 100%
大半損 60%
小半損 30%
一部損 5%

たとえば、保険金額が1,200万円で「小半損」と認定されると、支払いは1,200万円の30%の360万円です。区分の判定は、建物の主要構造部の損害の程度や、浸水の高さなど、決められた基準で行われます。

地震保険の実践ステップ

  1. 火災保険の証券で、地震保険が付帯されているか確認する。
  2. 付帯している場合、保険金額(火災保険に対する割合)を確認する。
  3. 付帯していない場合、付けるかどうかを、地域の地震リスクと家計の余力で考える。
  4. 保険料に影響する要素(建物の構造、所在地、築年、耐震性能による割引)を確認する。
  5. 地震保険料控除(所得税・住民税の控除)の対象になるかを確認する。

地震保険の注意点

  • 地震保険は、支払われる金額に上限があり、再建費用を満額補償しない。
  • 地震保険の保険料は、保険会社が違っても、基本的に同じ補償内容なら同程度に設計されている(公的な再保険の仕組みによる)。
  • 耐震等級や免震建築物などによる割引制度がある。適用には証明書類が必要。

地震保険でよくあるミス

  • 「火災保険で地震の火事も出る」と思い込んでいる。
  • 地震保険の保険金額が、火災保険の何割かを知らない。
  • 割引の適用条件があるのに、証明書を出していない。
  • 津波の被害は水災だと思い込み、水災補償だけで備える。

地震保険のチェックリスト

  • 地震保険が付帯されているか。
  • 保険金額(火災保険の何%か)を把握しているか。
  • 損害の4区分と支払い割合を知っているか。
  • 耐震性能による割引の対象か確認したか。
  • 地震保険料控除の書類を保管しているか。

地震保険のFAQ(よくある質問)

Q. 地震保険は、火災保険とは別に単独で入れますか。
A. 火災保険とセットで契約する仕組みで、単独の契約はできません。

Q. 地震保険で、家を建て直せますか。
A. 保険金額は火災保険の30〜50%が上限のため、建て直しの全額には足りないことが一般的です。生活再建の資金を支える位置づけです。

Q. 津波の被害は、水災補償の対象ですか。
A. 地震による津波は、水災ではなく、地震保険の対象です。

筆者の見解(地震保険)

地震保険は、「付けても全額は戻らない」ことと、「付けなければ地震の損害はまったく補償されない」ことの両方を押さえて考えるべき保険です。筆者は、家計の貯蓄だけで建て直しをまかなうことが難しい人ほど、地震保険の存在意義が大きいと考えます。一方で、地域や建物の条件、貯蓄の余力によって判断は変わります。保険料は公的な枠組みで決まる面が強いため、会社比較よりも「付けるか、金額をどうするか」の判断に時間をかけるのが実用的です。個別の契約の可否を助言するものではありません。

地震保険の関連項目

出典(一次情報)

本記事は制度・用語に関する一般的な情報の提供を目的としており、特定の保険・金融商品の推奨や勧誘、税務・法律・投資に関する個別の助言ではありません。制度の内容・金額・期限は改正されるため、最新の内容は国税庁・金融庁・厚生労働省・日本年金機構・各保険会社などの公式ページでご確認ください。個別の判断は、税務署・年金事務所・保険会社・税理士などの専門家にご相談ください。「筆者の見解」は一つの考え方です。